「妻が遺した一枚のレシピ」

あさやけベーカリー、子ども食堂の店主の
山田和夫さんのご著書がこのたび出版されました。

みなさま、もうお読みになられたでしょうか?

以下、てのはし事務局長によるレビューです。

一気に読めました。
知り合いが書いた本ですから、もちろん楽しみにしていましたが、
正直、おつきあいで買ったのも事実。

ところが、予想をはるかに超えて、面白い!文章がこなれていて読みやすい!
そして最後にまさかまさかの事態が。
不覚にも泣きました。

この本の主人公は、実は和子さんですね。
なんてすてきな人なんでしょう。
この人の導きで、いまの「あさやけベーカリー」と
「あさやけ子ども食堂」があることがよくわかりました。

損はしません、ぜひお読みください。

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<妻が残したレシピ>p15より
 亡くなるニ、三週間ほど前、
すでに、家で寝たきりになっていた和子が、突然、僕にこんなことを言った。
「お願い、パンを焼いてくれない?」
和子は生前、路上生活をしている人たちのために、
パンを無料で配ることを始めていた。
体調が悪くなり配ることができなくなっていたことが、
気にかかっていたのだろう。僕は和子に言った。
「それは無理だよ、パンを焼くなんて……」

<パンでできる支援>p77
 その時、僕はホームレス状態にある人とってもあまりよくわからず、
「てのはし」に興味を持つことはなかった。
しかし、和子が亡くなったあと、
進む方向を見失った僕に人とつながる橋を架けてくれたのはその「てのはし」だったのである。

<一本の電話が僕を救ってくれた>p158より
「パンを焼いて下さい。お手伝いしたい人がたくさんいるんです」
電話の主は、「てのはし」のスタッフだった。(中略)
「こんにちは」玄関から明るい声が聞こえてきた。
小柄な女性が5人の男性を引き連れて玄関の前で起っている。
ガラス戸を開けて顔を出すと、
こちらを向いてにっこり笑って会釈してくれた。
その女性が中村さんだ。
学生時代からホームレス支援の団体を立ち上げ活動を続けている感じのいい女性だ。
 こんがりパン屋のスタッフが女性ばかりだったこともあり、
手伝いに来る人は全員女性だと思い込んでいた。
しかし。中村さんの後ろを見ると、大きな身体の男性や
、華奢な男性が緊張した面持ちで起っている。
「この人たち、パンを焼けるのかな?」ちょっと疑問に思ったが、
「さあ、どんどん焼きましょう。
教えていただかなければできませんから」
中村さんは悪びれる様子もなく、くったくのない笑顔で僕を急かせる。
手伝いに来た人たちは誰一人としてパンを焼いたことがない。
「てのはし」や「世界の医療団」の支援を受けて生活を立て直した人だという・・・・・

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池袋駅周辺の各書店にてお買い求めいただけます。
青志社 
ISBN 978-4-86590-012-5
C0095 ¥1300E

みなさまぜひお手に取ってお読みください。

この記事を書いた人

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