ボランティア日記〜シェルター訪問編〜

私は土曜日に東池袋中央公園で行われている炊き出しのボランティアに参加しています。ある時、シェルターを利用している方と一緒にお弁当運搬用のトラックに乗る機会がありました。支援を受けていた人が支援をする側になる事があるんだという事に気付かされ、より深くテノハシの活動を知りたくなってシェルターの見学をお願いしました。

その日は駅で相談員の平田さんと待ち合わせをし、シェルターとなっているアパートへ向かいました。アパートの一室の扉の向こうでは、見学を受け入れてくれたAさんが、やや緊張した雰囲気で迎えてくれました。

そこはワンルームの落ち着いた雰囲気の部屋でした。決して広くはないですが、手を伸ばせば何にでも手が届くところが使い勝手が良さそう。部屋にはベットとTV、冷蔵庫に洗濯機と一通りの家電製品が揃っていて生活するには十分そうな環境でした。

Aさんは話すのが好きな方でした。一つ質問をすると聞くと止まらない。でも質問にはちゃんと答えてくれて、飛躍することはない。物静かそうな雰囲気を醸し出しつつ、実は頭の中はフル回転しているタイプ。頼まれたことに対して頑張りすぎちゃうタイプなのかもしれないと思いました。

公園のベンチやバス乗り場で座りながら休憩をしている時に声をかけてもらった人々との出会いで、仕事が見つかったり、シェルターに繋がることが出来た話。とてもとても細い糸を辿っているような生き方をされてきているのだなと思ったのと、公助とは何なのか、と考えさせられました。

これまでの生活の中で騒音に悩まされることが多かったので、見学の日もテレビはついていたのですが、音声は消音で字幕が映っていました。極力、音のない生活をしているAさん。今は体調があまり良くなく部屋で過ごされていることが多いそうですが、次に会うときはどこか公園で一緒に散歩でもしたいなと思いました。

奥村圭二郎

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