8月8日炊き出しボランティア日記1

8月第2土曜日は池袋慰霊祭
私がTENOHASIの手伝いを始めたのは去年の6月。2011年3月11日の東日本大震災以降に知り合った災害ボランティアの友達がふたり、すでにTENOHASIの活動に参加していたことから、「私も路上生活者支援をしたい」とホームページ経由で連絡をしました。
月2回の炊き出しボランティアは①調理、②衣類配布、③配食、④片付けと4つのパートがあり、その一部でも、全部でも、個々人の都合で参加できるとのことでした。私は先に参加していた友達の話を聞き、まずはひととおりの体験を数回。そうして、全体の流れをなんとなくつかめた8月10日、「TENOHASI夏祭り・池袋慰霊祭2019」を迎えました。
TENOHASIの夏祭り・慰霊祭は、毎年8月第2土曜日に開催される年に一度のスペシャルな行事です。通常夜1回だけの炊き出しを昼夜2回行い、その間にスイカ割りやかき氷を楽しみます。大切なことは宗教を超えた慰霊祭です。祭壇を設け、複数の宗教者からお話をいただき、過去1年間に路上で亡くなられた方々に思いを馳せ、参加者みなで祈ります。
2019年、その壇上に名を刻まれた方は73歳、69歳、67歳、67歳、54歳、47歳の6名、うちおふたりは氏名不詳でした。氏名が明らかでも、明らかでなくとも、TENOHASI事務局長の清野賢司さんは、わかる範囲で、その方のすがたを語ってくださいました。TENOHASIの活動において、その人たちは、たしかに“いる”人々だからです。
「TENOHASI夏祭り・池袋慰霊祭 2019」のようすは動画でご覧いただけます
路上の人々は“いる”から続ける
2020年、夏祭り・慰霊祭は中止となりました。せめての配慮に、例年とほぼ同じ設えの祭壇をつくり、過去1年間で亡くなられた方々のお名前と年齢を額に刻んで、祈りたい人が、祈りたい時に、各人の判断によりお参りするかたちとなりました。ご承知のように、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止する観点からの対処です。
新型コロナウイルス感染症の発生に際して、TENOHASIは今年3月、今後の炊き出しをどうするかを議題に、喧々諤々の議論をしました。議論は白熱しましたが、結論は最初から決まっていました。
〈炊き出しを中止するという選択肢はない〉というものでした。
炊き出しを中止する選択肢がない理由は、路上に生きる人が“いる”からです。
彼らが間違いなく“いる”と私に見せつけた光景があります。
2017年の春、池袋駅の地下構内、その日は池袋にある大学の卒業式で、多くの女の子たちが艶やかな着物に身を包み、満面の笑みを浮かべ行き交っていました。幸せいっぱいの彼女たちは、周囲に幸せな空気を振りまいていました。でも、その輝きのすぐ裏側にうずくまる人がいたのです。柱の向こうとこちらに、まったく違う世界がありました。この光景を目にして、写真に収めておきながら、私自身が路上生活の人々に対してわずかながらも行動を起こせるまでに2年の歳月を費やしました。もっと早く動くべきだったと後悔をしています。
コロナ禍にあるこの半年間、TENOHASIは経験あるボランティアを中心に、かたちを変え、手法を変え、試行錯誤をしながら、炊き出しを続けています。その過程について、『TENOHASI会報(次回発行号)』で縁の下の力持ち・大塚教徳さんが書いているので、機会があればぜひご一読ください。
by.運パン人おきく

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